2021.10.16 第963回放送分 『眼科疾患』3回目 ゲスト:大山 光子ドクター


二見いすず: 今月10月のドクタートークは「眼科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の大山 光子(おおやま みつこ)ドクターです。
大山さんどうぞよろしくお願いいたします。

大山 光子Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は子どもの近視について教えていただきました。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。


大山 光子Dr: 今日はコンタクトレンズと目の疾患についてお伝えいたします。
コンタクトレンズを使っている方は多いと思いますが、まずは高度管理医療機器であることを今一度しっかりと認識して欲しいと思います。
目に異常が無いかどうかの定期的なチェックと、毎日のお手入れがとても大切です。

二見いすず: お手入れ方法としては、どのようなものがありますか。

大山 光子Dr: よく使用されているのが、マルチパーパスソリューションMPSだと思います。
これは、1本で洗浄とすすぎ・保存をするものです。
ただし消毒作用は弱く、こすり洗いとすすぎが大切になります。

二見いすず: 洗浄とすすぎ・保存が1本でできるのでラクそうですが、こすり洗いとすすぎが大切なのですね。

大山 光子Dr: はい。
1日使用したコンタクトレンズには、菌がおよそ100万個付いていると言われています。

二見いすず: そんなに付いているんですか?

大山 光子Dr: はい。
そこでMPSを使ってこすり洗いをすることで、菌の数はおよそ10分の1に減少します。
その後すすぐと、およそ100個まで減ります。
さらにケースの中で保存することで、100個以下になります。

二見いすず: こすり洗いとすすぎがいかに大切かが分かりますね。
MPS以外にもお手入れ方法はありますか?

大山 光子Dr: 細菌やアカントアメーバーに有効な過酸化水素、ウイルスや細菌、カビ、アカントアメーバーに有効なポピドンヨード剤があります。
コロナ禍においては、このポピドンヨード剤による消毒がいいと思います。
不適切な消毒や洗浄だと、結膜炎や角膜炎などの目の障害が起こりやすくなります。
コンタクトレンズを使っている方は、特別に症状が無くても定期的に検査を受けるようにしてください。

二見いすず: 分かりました。
他にコンタクトレンズを使うにあたって気をつけることはありますか?

大山 光子Dr: つけたまま寝たり、装用時間が長いとよくありません。
1日12時間を目安にしてください。
また、朝起きてすぐは目が乾燥している状態なので、起床後30分ほどしてからコンタクトレンズをつけるといいでしょう。
夕方から夜も涙の量が減ります。
さらにテレビやパソコン・携帯の使用や運転中などは、まばたきが少なくなりがちです。
意識してまばたきをしたり、目薬をさしたりするようにしてください。
コンタクトレンズだけに頼らず、メガネも一緒に使うといいですね。

二見いすず: 分かりました。
今月は眼科疾患をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の大山 光子ドクターでした。
ありがとうございました。

大山 光子Dr: ありがとうございました。