2021.10.31 第965回放送分 『眼科疾患』5回目 ゲスト:大山 光子ドクター


二見いすず: 今月10月のドクタートークは「眼科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の大山 光子(おおやま みつこ)ドクターです。
大山さんどうぞよろしくお願いいたします。

大山 光子Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は眼精疲労について教えていただきました。
最終週の今日はどのようなことについて教えていただけますか。

大山 光子Dr: 今日は結膜炎についてお伝えします。
結膜とは、白目の表面とまぶたの裏側の部分を指します。
そこが炎症を起こして赤くなり、目やにが出ることを結膜炎と言います。

二見いすず: 結膜炎の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

大山 光子Dr: 原因は主に3つあります。
1つ目が細菌性のもの、2つ目がアレルギー、3つ目がウイルスによるものです。
細菌とウイルスに関しては汚い手で目を触ることによって起こることが多いです。
また細菌性は小さい子どもですと、中耳炎や副鼻腔炎に関係して起こることもあります。

二見いすず: アレルギーですと、どのような原因が考えられますか?

大山 光子Dr: 花粉やほこり、ハウスダスト、動物の毛などが原因となります。
アレルギー性ですと人にはうつりませんが、ウイルス性だとうつるので注意が必要です。

二見いすず: ウイルス性の場合、一つのウイルスだけが原因なのでしょうか。

大山 光子Dr: いいえ。
ウイルス性はいくつか種類がありますが、中でも人にうつりやすいウイルスが2種類あります。
これらの結膜炎だと学校などは出校停止になります。

二見いすず: 2種類のウイルス性結膜炎について、もう少し詳しく教えてください。

大山 光子Dr: はい。
1つ目はエンテロウイルスが原因の急性出血性結膜炎・「アポロ病」です。
潜伏期間は1日から2日ほどです。2つ目はアデノウイルスが原因でおこるもので、ウイルスの型によって2つに分かれます。
流行性角結膜炎「はやり目」と、のどの痛みと発熱を伴う咽頭結膜熱「プール熱」です。
どちらも潜伏期間は1週間ほどになります。

二見いすず: それぞれ潜伏期間も異なるのですね。

大山 光子Dr: そうですね。
流行性角結膜炎と咽頭結膜熱に関しては潜伏期間が1週間ほどと長いので、知らない間にうつしてしまう可能性が高く、家庭内では特に注意が必要です。
現在コロナ禍で、家族間でタオルを分けて使用されている方も多いと思いますが、これらの人にうつる結膜炎に関しても、タオルは別々に使用した方がリスクは下がります。

二見いすず: 他に気をつけるべきことはありますか。

大山 光子Dr: とにかくあちこち触った手、汚い手で目を触ることがよくありません。
普段から目を触らないようにしてください。
また感染した場合、入浴は一番最後にしてください。

二見いすず: 今月は眼科疾患をテーマに鹿児島県医師会の大山 光子ドクターに貴重なお話をしていただきました。
大山さん、ありがとうございました。

大山 光子Dr: ありがとうございました。