二見いすず: | 今月のドクタートークは「新型コロナウイルス」をテーマにお送りいたします。 お話は鹿児島県医師会の西 順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。 西さんどうぞよろしくお願いいたします。 |
西 順一郎Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 2021年も去年と同様、新型コロナウイルス一色と言っても過言ではないほどでした。 現在は感染者も落ち着いていますが、12月に入りまして忘年会など、人が集まる機会も多いかと思います。 今度、どのようなことに気をつけていけばいいでしょうか。 |
西 順一郎Dr: | 確かに国内ではある程度落ち着いてきましたが、世界に目を向けますと、収束にはほど遠い状況ですので、会食などが盛んになると、おそらく増えてくると思います。 ただし、ワクチン接種率があがってきているので、鹿児島では第5波のような感染者の増加にはならないと思います。 あまり過剰に心配する必要はありませんが、油断をしないことが大切です。 |
二見いすず: | 第5波のときは、鹿児島でもあっという間に感染者が増えたので、危機意識は常に持っていたいですね。 |
西 順一郎Dr: | 第4波も第5波も、まず東京・大阪など都会で増えて、そのあと地方で増えていました。 鹿児島での市中感染は、おおよそ、東京の流行開始の1ヶ月後、福岡の流行開始の2週間後から増え始めていました。 |
二見いすず: | つまり、鹿児島での市中感染は、いきなりは増えないということですか? |
西 順一郎Dr: | はい。 都会の動向をチェックしておく必要があります。 第5波のときは、お盆の帰省と重なったので、鹿児島でも市中感染が一気に増えました。 ただしクラスターの発生は市中感染とは違い、感染者が少ない時期からでもいきなりみられますので飲食店や医療機関では注意が必要です。 |
二見いすず: | 分かりました。 あと、この時期に気をつけたいもう一つの感染症に、インフルエンザがありますが、今年の流行やワクチンについて教えてください。 |
西 順一郎Dr: | インフルエンザに関しては、去年流行しなかった分、私たちみんなの免疫が落ちていますので、ひとたび流行すると大きな流行になる恐れがあります。 まだインフルエンザワクチンを打っていない方は、早めに打つようにしてください。 特に高齢者とお子さんは注意が必要です。 |
二見いすず: | それはどうしてでしょうか? |
西 順一郎Dr: | 高齢者はインフルエンザに伴う肺炎が死亡につながります。 子どもは新型コロナでは重症化しませんが、インフルエンザだと脳症などで死亡につながることもあります。 またインフルエンザの感染者の半分は小児ですので、きちんとワクチンを接種してください。 よく誤解されますが、インフルエンザワクチンは重症化を予防するだけでなく、発症も予防する効果があります。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今月は新型コロナウイルスをテーマにお送りしてまいります。 お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。 ありがとうございました。 |
西 順一郎Dr: | ありがとうございました。 |