2021.12.11 第971回放送分 『新型コロナウイルス』2回目 ゲスト:西 順一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「新型コロナウイルス」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西 順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さんどうぞよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、新型コロナウイルスとインフルエンザについて、この時期に注意すべきことをお聞きしました。
忘年会や年末の帰省などの注意点について、今週も引き続き教えていただきたいと思います。

西 順一郎Dr: 新型コロナウイルスもインフルエンザも感染経路は同じで、感染者が口から出すウイルスを含む水分の粒子を吸い込むことで感染します。
そしてこの水分の粒子には、2種類があります。

二見いすず: 口から出る粒子には2種類あるんですね。

西 順一郎Dr: はい。
「飛沫」と「飛沫核」です。
飛沫は、5マイクロメートルよりも大きな粒子です。
大きいので重力ですぐに落ちて、1、2メートルほどしか飛びません。
一方、飛沫核は5マイクロメートル以下の粒子で、空気中をしばらくのあいだ漂っています。
新型コロナもインフルエンザもこの飛沫核を近距離で吸い込む空気感染が主体です。

二見いすず: 空気中を漂うとなりますと、よくお店などで見かける透明のアクリル板では防ぐことができないということでしょうか?

西 順一郎Dr: そのとおりです。
もし会食のテーブルに感染者がいた場合、アクリル板の高さが低いとそれを超えて広がりますので感染してしまいます。

二見いすず: 忘年会シーズンの今、会食の機会も増えていると思いますが、そういった状況の中でもできる対策というのはありますか?

西 順一郎Dr: 信頼できる人同士、日頃から行動を共にしている人同士で、4人程度を限度にするのがよいと思います。
家族で、感染対策がとれた店で外食をするのは、かまわないと思います。

二見いすず: 分かりました。
あと、年末にかけて帰省する人も増えると思いますが、どのような点に気をつけたらいいでしょうか?

西 順一郎Dr: 鹿児島の第5波は、たくさんの帰省者が都市部からウイルスを持ち帰ったことが主な原因でした。
もし帰省シーズンに都市部で流行している場合は、帰省する1、2週間前のリスクの高い行動を控えた上で帰ってきて欲しいと思います。
ご家族同士お互いに確認し合ったほうがよいですね。

二見いすず: PCR検査をしてから帰省するという方法も有効的でしょうか?

西 順一郎Dr: PCR検査には落とし穴があって、感染してすぐの無症状の時期には陰性となります。
またネットやドラッグストアで販売されている診断キットには信頼できないものもあります。
検査は症状があるときに医療機関で医師に相談して実施ことをおすすめします。

二見いすず: よく分かりました。
今月は新型コロナウイルスをテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。