二見いすず: | 今月のドクタートークは「新型コロナウイルス」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の西 順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。 西さん最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。 |
西 順一郎Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 今週は年内最後の放送になりますので、新型コロナウイルスの今後の見通しについて、お聞かせいただければと思います。 |
西 順一郎Dr: | はい。 今後はワクチンが進んで、重症者や死亡者は減っていくと思われます。 新型コロナ自体は広がったとしても軽症の人が増えていくでしょう。 そのため、これまでの医療体制を徐々に変えていく必要があります。 |
二見いすず: | これまでの医療体制を変えていくというのは、どういうことでしょうか? |
西 順一郎Dr: | これまでは、基本的に発症した人は全員入院もしくは宿泊施設に隔離していました。 これからは、軽症者は自宅療養が基本になっていくと思われます。 そして、口から飲む抗ウイルス薬が出てきたら、早期診断、早期治療が重要になります。 特に、重症化するリスクのある人は、早めに飲んでいただきたいです。 ただ新しい薬ですので安全性についてはリスクがあることを考える必要があります。 |
二見いすず: | 特別な感染症ではなく、普通の感染症の一つという認識になっていくのでしょうか? |
西 順一郎Dr: | そうですね。 感染した人が差別を受けたり特別視されることのないような、普通の感染症になって欲しいと思います。 今後の展望はウイルス側の問題ではなく、社会の側の受け止め方が非常に重要になってきます。 この12月で、新型コロナが出現して丸2年になります。 今までの経験を生かして、過剰な対策はやめて、必要で効果のある対策を継続していくことが大切です。 みんなが持続できるような感染対策が来年以降必要になっていくと思います。 |
二見いすず: | あれもこれもダメという対策ではなく、肝心な部分の対策を怠らずに、上手に付き合っていくという認識ですね。 |
西 順一郎Dr: | はい。 以前は、「多少熱があっても、休まずに仕事に行く」ことがえらいことのような風潮がありましたが、新型コロナの出現で私たちの認識も変える必要があります。 体調が悪いときはしっかり休む。無理をしないで休める社会になるとよいと思います。 |
二見いすず: | 本当にそうですね。 コロナ禍で学んだ正しいことは、これからも生かして、ぜひ来年こそは多くの方が安心して暮らせる日常に戻ってほしいですね。 最後に年末年始の過ごし方について、一言お願いします。 |
西 順一郎Dr: | はい。 高齢者を含む親戚同士の大勢での集まりは、やはり今年もできるだけ控えた方がよいと思います。 室内での密集は避ける必要がありますが、お墓参りや初詣でなど外での行事の感染リスクは低いですので、ご家族でお出かけください。 どうぞおだやかな年末年始をお過ごしください。 |
二見いすず: | 分かりました。 今月は新型コロナウイルスをテーマにお送りしてまいりました。 お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。 ありがとうございました。 |
西 順一郎Dr: | ありがとうございました。 |