2022.7.2 第1000回放送分『新型コロナウイルス感染症』1回目 ゲスト:西 順一郎ドクター



二見いすず: 2003年5月3日からスタートしました、「ココが聞きたい!ドクタートーク」ですが、本日の放送でちょうど1000回を迎えることができました。
これも、いつも聞いてくださっているみなさま、そして鹿児島の医療を支えてくださっている先生方のおかげだと思っております。
これからも身近でためになる医療情報を、各専門の先生と一緒にお届けしてまいります。
さて、今月のドクタートークは「新型コロナウイルス感染症」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いいたします。
そして、1000回記念おめでとうございます。

二見いすず: ありがとうございます。
先生にも何度もご出演いただきました。
特にこのコロナ禍では、みなさんが知りたいことを分かりやすく教えていただきました。
さて今日は、どのようなことについてお話いただけますか。

西 順一郎Dr: 今日は新型コロナウイルスの現状とこれまでの変化についてお伝えします。
みなさんご存知のとおり、現在はオミクロン株が主流となり、これまでとは違った特徴が出てきました。

二見いすず: そうですね。
改めてオミクロン株の特徴について教えてください。

西 順一郎Dr: 感染力が強くなりなり、子どもたちにも広がりやすくなりましたが、肺では増えにくくなり、重症化しにくくなっています。
デルタ株でみられていた若い人の肺炎もみられなくなりました。
病原性は明らかに低下しています。
ウイルスは広がりやすい方向、免疫から逃れる方向、さらに病原性を弱める方向に進化するのが原則ですが、オミクロン株はまさに自然の法則にそっていると言えます。

二見いすず: デルタ株の頃に比べると、重症化しにくくなっているというのは、日頃のニュースなどでもだいぶ感じられるようになってきましたね。
とはいえ、3回目のワクチンを打たなくてもいいというわけではないのですよね?

西 順一郎Dr: はい。
オミクロン株には、3回目のワクチンを打たないと効きません。
3回目を打つことで、オミクロン株にも免疫を高めることができます。
2回目から間隔が空いていても効果はありますので、12歳以上で3回目を接種していない方は今からでも打っていただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
オミクロン株であっても高齢者が感染すると、やはり危険なのでしょうか?

西 順一郎Dr: 高齢者の致死率もオミクロン株になって、低くなってはきています。
しかし、高齢者がオミクロン株にかかることで、基礎疾患の悪化や脱水症で死亡することがあります。
現在の高齢者の新型コロナの致死率はインフルエンザより少し高いので、まだ気をつけなければなりません。

二見いすず: 分かりました。
周りの高齢者の方たちを守るためにも、引き続きの対策はしっかり行っていきたいものです。
今月は、新型コロナウイルス感染症についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。