2022.7.9 第1001回放送分『新型コロナウイルス感染症』2回目 ゲスト:西 順一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「新型コロナウイルス感染症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、オミクロン株の特徴について教えていただきました。
病原性は低下しているものの、高齢者の致死率のリスクはインフルエンザより少し高いので、まだ気をつけなければならないこと。
そしてオミクロン株は、3回目のワクチンを打たないと効かないため、未接種の方は今からでも打った方がいいというお話でした。
さて、今日はどのようなことについてお話いただけますか。

西 順一郎Dr: マスク着用についてと、もうすぐ夏休みに入るので、帰省による感染対策についてお伝えいたします。

二見いすず: これから暑さも厳しくなりますし、マスク着用については、みなさん悩んでいらっしゃると思います。
やはりこれまでどおり、マスクはきちんと着けておいた方がいいのでしょうか。

西 順一郎Dr: 屋外で人が密集していなければ、マスクは着けなくても大丈夫です。
特に歩いているときはいらないと思います。
屋外ではウイルスを含んだ飛沫核は飛んでいませんし、もしわずかにあったとしてもそれを吸い込んで感染することはありません。
感染が成立するにはたくさんのウイルスを吸い込むことが必要ですので、換気、距離、接触時間を考えてマスクが必要かどうかを判断してください。
マスク着用は個人の判断で行い、マスクをつけることを同調圧力で強制することはやめましょう。
もちろんマスクの効果はありますので、必要なときはしっかりつけて、いらない場面では外していただきたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
続いて、夏の帰省時における感染対策についても教えてください。

西 順一郎Dr: 一番大事なことは、帰省する前の1週間は感染リスクの高い行動を避けて、健康管理をしっかり行うことです。
家族同士であらかじめしっかり相談しておくといいと思います。
少しでも体調が悪いときは、帰省を中止したり延期したりすることも必要です。
オミクロン株の潜伏期間は2日から3日で、発症前日からうつす可能性があります。
感染経路は近い距離での空気感染が主体です。
空気中を浮遊するこまかい水分の粒子にウイルスが含まれていますので、食事のときはアクリル版などがあっても感染すると思います。

二見いすず: やはり会食をするときなどは、前もって体調をみておくことが、とても大事なことなんですね。

西 順一郎Dr: そうですね。
同窓会など、大人数が集まる場面や高齢者と会うときは特に換気に注意しましょう。
会食前後の2、3日は、お互いに健康状態を確認するといいですね。

二見いすず: 分かりました。
今月は、新型コロナウイルス感染症についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。