2022.7.16 第1002回放送分『新型コロナウイルス感染症』3回目 ゲスト:西 順一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「新型コロナウイルス感染症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はマスク着用についてと、夏休み中の帰省による感染対策について
お話しいただきました。
マスクは、屋外で距離が保たれている状態で、しゃべらないときは、着けなくても大丈夫ということ。
そして、マスク着用は個人の判断で行い、マスクをつけることを同調圧力で強制することはやめるようにしましょうというお話でした。
また帰省による感染対策は、特に同窓会など大人数での会食は前後の健康チェックが必要とのことでした。
今日はどのようなことについてお話いただけますか。

西 順一郎Dr: 今日は、新型コロナウイルスの検査と症状についてお伝えします。

二見いすず: まずは検査についてお聞きします。
同窓会などで集まる際は注意が必要とのことですが、前もってPCR検査を受けて参加すると、安心できるのではないでしょうか?

西 順一郎Dr: オミクロン株では発症前日のPCR陽性率は高くないことが報告されています。
一定量のウイルスがないと陽性になりませんので、たとえ感染していたとしても、陰性になります。

二見いすず: そうなんですね。

西 順一郎Dr: はい。
これはある医療機関での調査結果ですが、発症前に採取された鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査のうち、90%は陰性でした。
このうち、発症2日前と3日前はすべて陰性です。
発症前日の検査でも、陽性になったのは27%にとどまりました。

二見いすず: ということは、事前に検査して陰性だったからといって、絶対に感染していないというわけではないのですね。

西 順一郎Dr: そのとおりです。

二見いすず: 分かりました。
続いて、オミクロン株の症状について教えてください。

西 順一郎Dr: 喉の痛みや違和感から始まって、鼻づまり、鼻水、咳などが出てきます。
熱は38℃から39℃出ますが、ワクチンを打っていると熱がないことも多いです。
オミクロン株は軽症とよく言われますが、人によってはかなりきつい症状が見られます。
肺炎になることは少なくなってきましたが、高齢者は基礎疾患が悪くなったり、脱水になったりして重症化するため、引き続き注意が必要です。

二見いすず: 症状だけだと、風邪と区別がつきにくいですね。
もしこれらの症状が出たら、どうしたらいいでしょうか。

西 順一郎Dr: それほどきつくない場合は自宅で様子をみてもいいと思いますが、症状が続く場合や悪化する場合は別の病気の可能性もあるので、医療機関を早めに受診してください。

二見いすず: 分かりました。
今月は、新型コロナウイルス感染症についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。