2022.7.23 第1003回放送分『新型コロナウイルス感染症』4回目 ゲスト:西 順一郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「新型コロナウイルス感染症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はオミクロン株の検査と症状について教えていただきました。
オミクロン株における発症前日のPCR陽性率は決して高くはないため、事前に検査して陰性だったからといって、感染していないというわけではないというお話でした。
またオミクロン株の症状としては、喉の痛みや違和感、鼻づまり、鼻水、咳など、風邪の症状によく似ているとのこと。
そして、以前のように肺炎が悪くなることは少なくなってきてはいるものの、高齢者は引き続き注意が必要というお話でした。
今日はどのようことについて教えていただけますか。

西 順一郎Dr: 今日は、治療についてお伝えいたします。
まず重症者の治療ですが、抗ウイルス薬としてレムデシビル、血栓を予防するためのヘパリン、炎症をおさえるためのステロイドが使われます。
また、重症化リスクのある高齢者や基礎疾患のある患者さんに限定して、
経口の抗ウイルス薬であるラゲブリオ、パキロビッドパック、注射薬のレムデシビルが使われます。
これらはウイルスの増殖を抑えてくれます。

二見いすず: オミクロン株は軽症の方が多いとのことですが、若い方や基礎疾患のない軽症の方の治療はどうされるのでしょうか?

西 順一郎Dr: 今のところ人に対する抗ウイルス薬は承認されていませんので、必要応じてアセトアミノフェンなどの解熱薬やかぜ薬による対症療法を行います。

二見いすず: 自宅療養中に気を付けることはどんなことでしょうか?

西 順一郎Dr: 脱水にならないよう、水分補給をしっかりするようにしてください。
あとは十分な睡眠と栄養も大切です。

二見いすず: 自宅療養中の食事で、食べていけないものはありますか?

西 順一郎Dr: 特に制限はありません。

二見いすず: はい。
ちなみにどのくらいの期間、自宅療養すればいいのでしょうか?

西 順一郎Dr: 現在のところ、発症してから10日間です。
無症状で陽性の人は、陽性になってから7日間は自宅待機になっています。

二見いすず: 分かりました。
この2年半ほどの間に、多くの薬が開発され、そして多くの医療従事者の方たちのおかげで、さまざまな治療方法が確立されてきました。
改めて、そのような方々に感謝の気持ちを持ちたいですね。
今月は、新型コロナウイルス感染症についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。