2022.1.1 第974回放送分 『依存症』1回目 ゲスト:田中 大三ドクター



二見いすず: あけましておめでとうございます。
2022年がスタートしました。
今月のドクタートークは「依存症」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の田中大三(たなか だいぞう)ドクターです。
田中さんどうぞよろしくお願いいたします。

田中 大三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 田中さんは、アルコール依存をはじめ、ギャンブル依存や薬物依存など、依存症の治療をご専門にされていらっしゃいます。
今週はまず、アルコール依存症についてお話をお伺いしたいと思います。
コロナ禍で、年末からの忘年会や新年会などは、例年ほど多くはないかもしれませんが、それでも年末年始は普段よりもアルコール摂取量が多くなる時期です。
「今夜は飲み過ぎてしまった」と思うことも増えるかもしれません。
「アルコール依存症」というのは、どのような状態になると、そう呼ばれるのでしょうか?

田中 大三Dr: たとえ、「今夜は飲みすぎてしまった」と思っても、アルコール依存症でなければ、体調のことを考え、翌日以降はセーブしようとすると思います。
しかし、アルコール依存症の人は、身体的や社会的にさまざまな問題があるにもかかわらず、自分の意思ではどうしても飲酒をやめることができません。
このように、お酒がないといられなくなる状態のことをアルコール依存症と呼びます。

二見いすず: 健康も仕事も人間関係も、どれもその人にとっては大切なものだと思うのですが・・・。

田中 大三Dr: おっしゃる通り、健全な状態だと自分の優先順位を正しく見極めることができますが、依存症だとその優先順位が変わってしまうのです。
そしてそれは、本人の意思が弱いからでも、だらしない性格だからでもありません。

二見いすず: お酒をセーブできないのは、その人の意思や性格の問題ではないのですね。

田中 大三Dr: はい。
そのようなイメージが強いかもしれませんが、違います。
これはアルコール依存症だけでなく、すべての依存症に言えることなのですが、依存症は脳の機能障害、つまり脳の障害による病気であるということを、ご理解いただきたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
今日は元日なので、「一年の計は元旦にあり」という言葉もあるとおり、「今年こそはお酒の量を減らそう」と、ご自身で思われている方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方が、飲みすぎているかどうかチェックできるようなものはありますか。

田中 大三Dr: あります。
今はスマートフォンでも簡単にチェックできるので、ぜひ試してみてください。
検索エンジンで「単位ドリンク換算」と検索しますと、出てきます。
その他にも「うちな〜節酒カレンダー」というアプリもあります。

二見いすず: 「単位ドリンク換算」と、アプリの「うちな〜節酒カレンダー」ですね。
来週もアルコール依存症について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の田中大三ドクターでした。
ありがとうございました。

田中 大三Dr: ありがとうございました。