2022.2.5 第979回放送分 『心血管病』1回目 ゲスト:大石 充ドクター



二見いすず: 今月、2月のドクタートークは「心血管病」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいし みつる)ドクターです。
大石さん、どうぞよろしくお願いいたします。

大石 充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 大石さんのいらっしゃる鹿児島大学病院ですが、去年の10月に、心臓の病気の新しい治療センターができたそうですね。

大石 充Dr: はい。
去年の10月1日より、「心血管病低侵襲治療センター」を開設しました。
低侵襲治療というのは、なるべく体に傷をつけずに行うカテーテル治療や内視鏡を併用した外科手術のことです。
この低侵襲治療によって、今までは手術を諦めざるをえなかった高齢者や合併症をお持ちの方、お子さんも手術することができるようになりました。
しかし、今まで鹿児島では、受けることのできる低侵襲治療には限りがあったのです。

二見いすず: 「県内でできる低侵襲治療には限りがあった」ということは、これまでの患者さんは治療を県外でしていたのでしょうか?

大石 充Dr: そうなんです。
福岡や熊本などにわざわざ行って治療をするため、患者さんご自身も、付き添いのご家族も大変な思いをされていました。
また、「地元で治療できないのなら、治療そのものを断念する」という患者さんもいらっしゃって、私ども医療従事者としては、大変申し訳ない思いをしてきました。

二見いすず: そんな状況だったんですね・・・。

大石 充Dr: そこで鹿児島のみなさんが地元で低侵襲治療を受けられるよう、6年前から準備を始め、現在行われているほとんどのカテーテル治療の施設基準を取得しました。

二見いすず: これからは、県民のみなさんも地元で安心して低侵襲治療ができるんですね。
しかし、心臓の手術と言いますと、「難しい手術が多く、術後も大変」というイメージがあるのですが・・・。

大石 充Dr: 確かにこれまではそのようなイメージを持たれていた方が多いと思います。
しかし低侵襲治療なら手術の種類にもよりますが、手術時間も1−3時間ほどと短く、傷跡も少なくて済み、1週間―10日ほどで退院できるので、これまでと比べてだいぶ患者さんの負担が減ると思います。

二見いすず: 今のお話で、心臓の手術に対するネガティブなイメージも変わりそうですね。

大石 充Dr: はい。
医療の進歩により、心臓の分野でも「低侵襲、短期入院、早期回復」といったキーワードのもと、次々と新しい治療技術が導入されています。

二見いすず: 去年の10月に開設された、鹿児島大学病院の「心血管病低侵襲治療センター」。
県民にとっては、うれしく心強いニュースですね。
来週も心血管病について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の大石充ドクターでした。
ありがとうございました。

大石 充Dr: ありがとうございました。