二見いすず: | 今月のドクタートークは「心血管病」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいし みつる)ドクターです。 大石さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
大石 充Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は心臓弁膜症の治療について教えていただきました。 心臓の弁が開きにくくなっている「大動脈弁狭窄症」、逆に弁が閉じにくくなっている「僧帽弁閉鎖不全症」。 ともにカテーテルでの手術だと、従来の手術と比べて格段に早く済み、体への負担もだいぶ軽減されるというお話でした。 今日はどのようなことについてお話しいただけますか。 |
大石 充Dr: | 今日は、「心房中隔欠損症」についてお伝えいたします。 |
二見いすず: | 「心房中隔欠損症」ですね。 これはどのような病気なのでしょうか? |
大石 充Dr: | 私たちの心臓には4つの部屋がありますが、その中の左右の心房を隔てている壁に、穴が開いている先天的な疾患です。 |
二見いすず: | 先天的ということは、生まれつきということなんですね。 左右の心房との間に穴が開いていると、体にどのようなことが起きてしまうのでしょうか? |
大石 充Dr: | 左心房から右心房に血液が流れてしまい、右心房や肺動脈を流れる血液量が増加し、過度の負担が生じてしまいます。 |
二見いすず: | この心房中隔欠損症を治療する手術も、カテーテルで可能になったということなんですね? |
大石 充Dr: | はい。 穴を2枚の鍋蓋のようなもので塞ぐイメージです。 従来の手術ですと、胸を開いて、心臓を止めてと、体に負担のかかるものでしたが、カテーテルによる新しい手術により、胸部に傷痕も残らず、体の負担も少なく、入院期間も短くて済みます。 |
二見いすず: | 先ほど、先天性の病気というお話でしたが、これまでは赤ちゃんがそういった大変な手術を受けていたということでしょうか。 |
大石 充Dr: | はい。 しかし、乳幼児期にはほとんど症状はなく、心臓の雑音もなく、気づかないこともあります。 少し大きくなって、幼児期や小学生になってから発見されたり、大人になってから症状が出てきて発見されることもあります。 |
二見いすず: | どのような症状が出るのでしょうか? |
大石 充Dr: | 症状としては、疲れやすい、運動すると息切れがする、風邪や肺炎等の呼吸器系の疾患になりやすいなどがあります。 治療しないままだと、加齢にともない不整脈や肺高血圧、心不全など様々な問題がでてくると言われています。 一度手術したら大丈夫なので、赤ちゃん健診をきちんと受けることが大切です。 |
二見いすず: | よく分かりました。 お話は鹿児島県医師会の大石充ドクターでした。 ありがとうございました。 |
大石 充Dr: | ありがとうございました。 |