2022.3.12 第984回放送分 『花粉症』2回目 ゲスト:原口 兼明ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「花粉症」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の原口兼明(はらぐち かねあき)ドクターです。
原口さん、どうぞよろしくお願いいたします。

原口 兼明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、花粉症の方におすすめの日本気象協会が発表する花粉飛散情報について教えていただきました。
鹿児島県では、鹿児島市、鹿屋市、薩摩川内市、指宿市、霧島市の5拠点の花粉飛散状況を把握でき、とても便利なので、お困りの方にはおすすめというお話でした。
さて、新型コロナウイルスが拡大して丸2年が経ちますが、コロナの症状と花粉症の症状というのは、少し似ている部分もあって、この時期は判断に迷う方もいると思います。


原口 兼明Dr: そうですね。
鼻水、鼻詰まり、くしゃみといった花粉症の症状は、新型コロナウイルス感染症でもみられることがあります。
症状だけでは区別がつかないこともあるので、きちんと病院で検査を受けることをおすすめします。

二見いすず: 分かりました。
ところで、花粉症の患者さんはどのような治療を行っているのでしょうか?

原口 兼明Dr: 花粉症の治療は大きく3つに分けられます。
薬物療法、手術、そして免疫療法です。
まずは患者さんのほとんどが行っている薬物療法についてお伝えします。

二見いすず: はい、お願いします。

原口 兼明Dr: 薬物療法は、そのタイミングによって、さらに3つに分けられます。
まず、症状が出てくる前に行う「初期療法」です。
こちらは花粉が飛散をはじめる1、2週間前から内服を始めます。
次は、症状が出てから行う「導入療法」です。
これに関しては、鼻の中をしっかり覗く、もしくは症状を問診して、病型や重症度に応じて抗アレルギー薬を組み合わせるのが大切です。

二見いすず: そうなんですね。

原口 兼明Dr: そして最後が、良くなった状態を維持する「維持療法」です。

二見いすず: 症状が良くなっても、お薬を飲むのですか?

原口 兼明Dr: はい。
せっかく服用により改善したものの、途中でやめてしまい、症状がひどくなる症例が結構あります。
シーズンが終わるまでは、薬をやめることなくしっかり服用してほしいと思います。


二見いすず: 分かりました。
続いて手術についても教えてください。

原口 兼明Dr: 手術では、レーザーで鼻の粘膜を焼きます。
治療は花粉が飛び始めるおよそ1ヶ月前には終了しておく必要があります。


二見いすず: つまり、今症状がつらくても、このレーザー治療は向かないということですね。

原口 兼明Dr: 残念ですが、来シーズンの対策として、今年の終わりくらいに治療されるといいと思います。
最後の免疫療法については、また来週お伝えしたいと思います。


二見いすず: 分かりました。
今月は花粉症についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の原口兼明ドクターでした。
ありがとうございました。

原口 兼明Dr: ありがとうございました。