二見いすず: | 今月のドクタートークは「花粉症」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の原口兼明(はらぐち かねあき)ドクターです。 原口さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
原口 兼明Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、鼻水、鼻詰まり、くしゃみといった花粉症の症状は、新型コロナウイルス感染症でもみられることがあり、症状だけでは区別がつかないこともあるので、きちんと病院で検査を受けることが大切というお話をお聞きしました。 さらに、花粉症の治療についても教えていただきました。 治療方法は大きく3つに分けられ、薬物療法、手術、そして免疫療法があるというお話でした。 今週は免疫療法について教えていただきたいと思います。 |
原口 兼明Dr: | はい。 免疫療法というのは、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与し、体をアレルゲンに慣らすことで症状を和らげ、根本的な体質改善が期待できる治療法になります。 この免疫療法には2種類あります。 |
二見いすず: | それぞれ教えてください。 |
原口 兼明Dr: | まず1つ目は、皮下に注射をする皮下免疫療法です。 こちらは医療機関で注射をするため、通院が必要となります。 2つ目は舌下免疫療法です。 こちらは治療薬を舌の裏に置き、しばらく保持したあと、飲み込みます。 こちらは自宅で治療することが可能です。 |
二見いすず: | 自宅で治療できるなら、仕事や学校などにも差し障りがないのでいいですね。 これらの免疫療法は、どのくらいの期間行うのでしょうか? |
原口 兼明Dr: | いずれも花粉の季節ではない時期にも続けなければなりません。 さらにそれを3年から5年にわたって治療する必要があります。 |
二見いすず: | 長期にわたって治療を行うということですね。 それだけ長く治療を行うということは、やはり効果も高いのでしょうか。 |
原口 兼明Dr: | そうですね。 正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期的に症状を抑えられる効果が期待できます。 症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、薬の使用量が少なくて済むという効果が期待できます。 |
二見いすず: | 完全に治らなくても、薬の量を減らせるのはうれしいですね。 |
原口 兼明Dr: | はい。 当院でもこの舌下免疫治療法を実施していますが、かなり良好な結果が出ています。 花粉症の人は今後、毎年この時期に薬を飲み続けなければならないことを考えると、舌下免疫治療法を試してみてみるのもいい選択だと思います。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今月は花粉症についてお伝えしています。 お話は鹿児島県医師会の原口兼明ドクターでした。 ありがとうございました。 |
原口 兼明Dr: | ありがとうございました。 |