2022.4.9 第988回放送分 『生活習慣病』2回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西尾 善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、生活習慣病の大元となる肥満について教えていただきました。
私たちが普段気にする見た目での「肥満」と、医学的な肥満症は異なることも教えていただきました。

西尾 善彦Dr: 見た目での肥満というのは、皮下脂肪を指すことが多いです。
指でつまめるお肉のことですね。

二見いすず: おなか周りなどにあるお肉は指でつまめますが、これは皮下脂肪なんですね。

西尾 善彦Dr: はい、そうです。
皮下脂肪は、見た目はあまり美しくはないですが、健康的には悪さをしない脂肪です。
逆に医学的に良くないのが、胃や腸のまわりに溜まる内蔵脂肪です。
ところで二見さんは、皮下脂肪と内蔵脂肪はどちらが減らしやすいと思いますか?

二見いすず: そうですね・・・内蔵脂肪でしょうか。
医学的に良くないとされる内蔵脂肪が減らしにくいと困りますよね。

西尾 善彦Dr: 確かにそうですね。
そして答えもその通りで、内蔵脂肪の方が減らしやすいです。
脂肪をお金に例えると分かりやすいのですが、内蔵脂肪は、いわば財布の中の現金です。そして皮下脂肪は、銀行の預金と思ってください。

二見いすず: 真っ先に減るのは財布のお金の方なので、内蔵脂肪の方が減らしやすいということですね。

西尾 善彦Dr: はい。
そして残念ながら、溜まりやすいのも内蔵脂肪なんです。

二見いすず: そうなんですね。

西尾 善彦Dr: 使う量と食べる量のエネルギーバランスを考えましょう。
もし、食べる量を減らしたくないという人は、しっかり動くようにしましょう。
年齢を重ねると基礎代謝が落ちるので、若い頃と似たような食生活だと、中年太りしていきます。


二見いすず: ただ、おいしいものだと、つい食べ過ぎるという方もいると思います・・・

西尾 善彦Dr: 腹八分が大切です。
満腹の感覚は、遅れてやってきます。
それを知らないとその間に食べてしまうんです。
だからよく噛んで、ゆっくり食べるようにしましょう。
コロナ禍の黙食は早食いになりやすいから注意ですよ。


二見いすず: わかりました。
運動のポイントもあったら教えてください。

西尾 善彦Dr: 有酸素運動がおすすめです。
ただし、お茶碗1杯で1時間歩いたカロリーと同じなので、食べ過ぎを運動で取り戻すのは結構難しいです。
ケーキだと1個食べたら、散歩2時間分のカロリーです。


二見いすず: そんなに大変なんですね。
満腹は遅れてやってくることを意識しながら食べたいですね。
今月は生活習慣病についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターでした。
ありがとうございました。

西尾 善彦Dr: ありがとうございました。