2022.4.16 第989回放送分 『生活習慣病』3回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西尾 善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週までは2週にわたり、肥満症について教えていただきました。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

西尾 善彦Dr: 今日は脂質異常症についてお伝えします。

二見いすず: 脂質異常症というのは、どのような病気なのでしょうか。

西尾 善彦Dr: まず、人の血液内にある脂質には2種類あります。
コレステロールと中性脂肪です。
さらに、コレステロールにも2種類あって、善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあります。
脂質異常症というのは、悪玉コレステロールか中性脂肪が多い、もしくは善玉コレステロールが少ない状態のことを指します。

二見いすず: 悪玉コレステロールか中性脂肪が多い。
もしくは、善玉コレステロールが少ない状態ですね。
どうして脂質異常症になると良くないのでしょうか?

西尾 善彦Dr: 血管にコレステロールがたまると、血管が細くなったり、詰まったりするなど、動脈硬化になってしまうからです。

二見いすず: そうなんですね。
では2つのコレステロールと中性脂肪について詳しく教えてください。

西尾 善彦Dr: はい。
まず悪玉コレステロールですが、こちらは血液検査の用紙には、「LDLコレステロール」と書かれています。
悪玉コレステロールは全身にコレステロールを運ぶ役割をしますが、多すぎると良くありません。

二見いすず: そうなんですね。
では、善玉コレステロールはどのようなものなのでしょうか?

西尾 善彦Dr: 善玉コレステロールは、血液検査の用紙には、「HDLコレステロール」と書かれています。
血管に溜まっているコレステロールを肝臓に戻す役割をし、普通は多ければ多いほどいいです。


二見いすず: わかりました。
あと、中性脂肪についても教えてください。

西尾 善彦Dr: 中性脂肪は、肝臓からエネルギーが必要なところにエネルギーを運ぶ運び屋ですが、これはなくてもいいものです。

二見いすず: そうなんですね。
治療はどのようにしていくのですか?

西尾 善彦Dr: 病気になった場合、悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では、治し方が異なります。
悪玉コレステロールが多い人は、生活習慣が良くないという原因よりも、遺伝などの体質が原因の場合が多いです。
そして中性脂肪が多い人は、食事をたくさん食べるなどの肥満が原因です。
それぞれの詳しい治療法は来週お伝えします。


二見いすず: 分かりました。
今月は生活習慣病についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターでした。
ありがとうございました。

西尾 善彦Dr: ありがとうございました。