二見いすず: | 今月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしお よしひこ)ドクターです。 西尾さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
西尾 善彦Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は脂質異常症について教えていただきました。 病気になった場合、悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では、治し方が異なるというお話でしたね。 |
西尾 善彦Dr: | はい。 今日はそれぞれの治療法についてお伝えします。 まず、悪玉コレステロールが多い人は、遺伝などの体質が原因の場合が多いです。 ご両親やご兄弟の中に、「コレステロールの値が高い」と言われた方がいたり、心臓の病気や脳卒中の方がいたりする場合は、気をつけるようにしましょう。 |
二見いすず: | 悪玉コレステロールの多い人が食事で気をつけることはありますか? |
西尾 善彦Dr: | はい。 体内のコレステロールの3分の1は、食事由来です。 肉の脂、鳥の脂、ラードといった動物性の脂は、コレステロールを吸収するのを促進するので気をつけましょう。 |
二見いすず: | 体内のコレステロールの3分の1は食事由来なんですね。 残りの3分の2のコレステロールはどのようにして作られるのでしょうか? |
西尾 善彦Dr: | 肝臓で作られます。 この肝臓で作るのを止めるのが、スタチンと呼ばれる薬で、特効薬として使われています。 飲むと悪玉コレステロールが半分になります。 コレステロールが高い人は、薬でコレステロールを下げると同時に、動脈硬化のリスクを下げることも大切です。 |
二見いすず: | わかりました。 続いて、中性脂肪が多い人の治療について教えてください。 |
西尾 善彦Dr: | はい。 中性脂肪が多い人の場合は、食事をたくさん食べるなどの肥満が原因なので、脂になりやすい食べ物に気をつけるようにしてください。 砂糖が多く含まれる、ジュースやお菓子、フルーツなどの摂りすぎはよくありません。 アルコールも体内に入ると脂になりますので適量を守りましょう。 天ぷらやフライなどの脂っこい食事にも注意してください。 |
二見いすず: | 分かりました。 食事以外に注意することはありますか? |
西尾 善彦Dr: | 肥満にならないよう、運動をして余分なカロリーを消費することが大切です。 ウォーキングをする際は、歩きながら会話できる程度の速さで、息切れしないように15分以上歩くようにしましょう。 |
二見いすず: | 他に何か気をつけることはありますか。 |
西尾 善彦Dr: | 中性脂肪が多い方は、動脈硬化のリスクもあるほか、膵炎と言って膵臓の炎症を起こす病気になる可能性があります。 膵炎は命に関わることがあり、痛みも出ますので、日頃から食事と運動に気をつけるようにしましょう。 |
二見いすず: | 今月は生活習慣病についてお伝えしてまいります。 お話は鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターでした。 ありがとうございました。 |
西尾 善彦Dr: | ありがとうございました。 |