2022.4.23 第990回放送分 『生活習慣病』4回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西尾 善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は脂質異常症について教えていただきました。
病気になった場合、悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では、治し方が異なるというお話でしたね。

西尾 善彦Dr: はい。
今日はそれぞれの治療法についてお伝えします。
まず、悪玉コレステロールが多い人は、遺伝などの体質が原因の場合が多いです。
ご両親やご兄弟の中に、「コレステロールの値が高い」と言われた方がいたり、心臓の病気や脳卒中の方がいたりする場合は、気をつけるようにしましょう。

二見いすず: 悪玉コレステロールの多い人が食事で気をつけることはありますか?

西尾 善彦Dr: はい。
体内のコレステロールの3分の1は、食事由来です。
肉の脂、鳥の脂、ラードといった動物性の脂は、コレステロールを吸収するのを促進するので気をつけましょう。

二見いすず: 体内のコレステロールの3分の1は食事由来なんですね。
残りの3分の2のコレステロールはどのようにして作られるのでしょうか?

西尾 善彦Dr: 肝臓で作られます。
この肝臓で作るのを止めるのが、スタチンと呼ばれる薬で、特効薬として使われています。
飲むと悪玉コレステロールが半分になります。
コレステロールが高い人は、薬でコレステロールを下げると同時に、動脈硬化のリスクを下げることも大切です。

二見いすず: わかりました。
続いて、中性脂肪が多い人の治療について教えてください。

西尾 善彦Dr: はい。
中性脂肪が多い人の場合は、食事をたくさん食べるなどの肥満が原因なので、脂になりやすい食べ物に気をつけるようにしてください。
砂糖が多く含まれる、ジュースやお菓子、フルーツなどの摂りすぎはよくありません。
アルコールも体内に入ると脂になりますので適量を守りましょう。
天ぷらやフライなどの脂っこい食事にも注意してください。

二見いすず: 分かりました。
食事以外に注意することはありますか?

西尾 善彦Dr: 肥満にならないよう、運動をして余分なカロリーを消費することが大切です。
ウォーキングをする際は、歩きながら会話できる程度の速さで、息切れしないように15分以上歩くようにしましょう。


二見いすず: 他に何か気をつけることはありますか。

西尾 善彦Dr: 中性脂肪が多い方は、動脈硬化のリスクもあるほか、膵炎と言って膵臓の炎症を起こす病気になる可能性があります。
膵炎は命に関わることがあり、痛みも出ますので、日頃から食事と運動に気をつけるようにしましょう。


二見いすず: 今月は生活習慣病についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターでした。
ありがとうございました。

西尾 善彦Dr: ありがとうございました。