2022.4.30 第991回放送分 『生活習慣病』5回目 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしお よしひこ)ドクターです。
西尾さん、最終日もどうぞよろしくお願いいたします。

西尾 善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は脂質異常症とその治療法について教えていただきました。
悪玉コレステロールが多い人と中性脂肪が多い人では、それぞれ治療法が異なるというお話でした。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

西尾 善彦Dr: 今日は、喫煙についてお伝えいたします。

二見いすず: 分かりました。
改めて喫煙による健康被害について教えてください。

西尾 善彦Dr: はい。
喫煙は、ガンのリスクが高まるのはもちろんですが、その他にも心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化など血管の病気につながりやすくなります。
特に脂質異常症がある人の喫煙は非常に危険で、血圧まで高いと、リスクは8倍になります。

二見いすず: ちなみに喫煙は、新型コロナウイルスに感染した場合も影響しますか?

西尾 善彦Dr: そうですね。
喫煙もコロナの重症化のリスクになりますので、禁煙を強くおすすめします。

二見いすず: ひと昔前からすると、社会全体として喫煙を減らしていこうという風潮も高まっていますし、喫煙者の方も健康リスクについては分かっていると思うのですが、それでもタバコをやめられない方はいらっしゃると思います。
やはり禁煙するのは相当難しいのでしょうか?

西尾 善彦Dr: そうだと思います。
「よし、禁煙しよう!」と、自分の意志だけでタバコをやめられる人は、0%と言われているくらい難しいんです。

二見いすず: それはどうしてなのでしょうか?

西尾 善彦Dr: タバコに含まれるニコチンは、非常に依存性の強い物質なんです。
お酒やコーヒーなどにも、アルコールやカフェインといった依存性物質が含まれていますが、適量なら問題ありません。
しかし、ニコチンは薬物よりも依存の危険が高く、依存症になると一人でやめるのは難しくなります。


二見いすず: 一人ではやめるのが難しいとなると、やはり病院を受診した方がいいのでしょうか?

西尾 善彦Dr: そうですね。
専門の病院を受診し、禁煙補助療法を受けることをおすすめします。
貼り薬やガム、服薬など、禁煙補助薬を使うので、禁断症状が抑えられ、比較的ラクに禁煙することができます。
また、医師や看護師が一人ひとりに話を聞き、その方に合ったアドバイスをしてくれるため、一人で禁煙するよりはずっとラクに、より確実に、禁煙することができると思います。


二見いすず: 分かりました。
今月は生活習慣病をテーマに、鹿児島県医師会の西尾善彦ドクターに貴重なお話をしていただきました。
西尾さん、ありがとうございました。

西尾 善彦Dr: ありがとうございました。