2022.5.14 第993回放送分 『大腸がん』2回目 ゲスト:馬場 研二ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「大腸がん」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の馬場研二(ばば けんじ)ドクターです。
馬場さん、どうぞよろしくお願いいたします。

馬場 研二Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は大腸がんの原因と予防について教えていただきました。
日頃から食生活や運動に気をつけながら、年に1回の検診も大切というお話でしたね。
今日はどのようなことについてお話いただけますか。

馬場 研二Dr: 今日は大腸がんの検診や検査について詳しくお伝えいたします。
40歳をこえたら、まず1次検査として検便するようにしましょう。
2日分の便を採取し、便に混ざっている血液を検出する検査になります。
検出率は進行がんで9割、早期がんで5割です。

二見いすず: 1次検査ということは、2次検査もあるのですか?

馬場 研二Dr: はい。
2次検査は1次検査で異常があった人を対象に大腸カメラを行います。

二見いすず: 大腸カメラを使った検査の流れについて、もう少し詳しく教えてください。

馬場 研二Dr: 分かりました。
まず、前日夜9時以降は絶食です。
水は飲むことができます。
そして下剤を飲んでお休みいただきます。
翌朝は、病院で2リットルの下剤を飲みます。

二見いすず: 2リットルの下剤となると、かなりきつそうですね。

馬場 研二Dr: そうですね。
でもここは頑張りどころです。
いっぺんには飲めないので、お昼くらいまでかけて飲んでいきます。
その後、看護師さんに便を見てもらい、下剤だけ出てくる状態になれば検査可能です。

二見いすず: 検査時間はどのくらいかかるのでしょうか。

馬場 研二Dr: 体人によりますが、10分から30分ほどです。
眠った状態で行いたい方は、静脈麻酔を使うこともできます。
そして早期大腸がんの場合、この検査中にポリープだけをとることができます。


二見いすず: 腫瘍が見つかった場合はどうなるのでしょうか。

馬場 研二Dr: 腫瘍があったら一部を切り取り、詳しく調べて1週間で検査結果が分かります。
がんだったら、CTとPETなどの検査を行い、手術や抗がん剤などの治療方針を決める必要があります。


二見いすず: 先週、早期の場合だと自覚症状がほとんどないということでしたが、進行していくと気づけるサインはあるのでしょうか。

馬場 研二Dr: 大腸がんが進行すると、血便、便秘、便が細くなるなどのサインが見られます。
ただ、血便だと痔と勘違いされる方も多いようです。


二見いすず: ちなみに出血は毎回あるのですか?

馬場 研二Dr: いいえ、毎回ではないので、余計に勘違いされやすいです。
大量出血してからでは遅いので、ティッシュに血がつくなどしたら、まずは検査を受けるようにしましょう。


二見いすず: 分かりました。
今月は大腸がんについてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の馬場研二ドクターでした。
ありがとうございました。

馬場 研二Dr: ありがとうございました。