2022.5.21 第994回放送分 『大腸がん』3回目 ゲスト:馬場 研二ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「大腸がん」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の馬場研二(ばば けんじ)ドクターです。
馬場さん、どうぞよろしくお願いいたします。

馬場 研二Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は大腸がんの検診や検査についてお話いただきました。
40歳を過ぎたら、年に1回、1次検査である検便を行うことが大切というお話でした。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

馬場 研二Dr: 今日は大腸がんの手術についてお伝えいたします。
早期がんであれば、内視鏡手術で切除することができます。
こちらは全身麻酔ではなく、静脈麻酔で手術することができ、日帰りまたは1泊で済みます。

二見いすず: 大腸がんと言っても早期がんなら、そんなに早く終わるんですね。

馬場 研二Dr: はい。
続いて進行がんの場合ですが、2000年頃から腹腔鏡手術が広がり始め、現在は大腸がんの8割以上が腹腔鏡手術です。
手術時間は3時間から5時間ほどかかり、入院は10日から2週間ほどかかります。

二見いすず: もう開腹手術はほとんど行っていないんですね。

馬場 研二Dr: そうですね。
体の傷も小さくて済みますし、術後の回復の早さなど、メリットが多いからです。
がんの治りやすさでみても、開腹手術と腹腔鏡手術では違いはありません。

二見いすず: 逆にそんな中でも、開腹手術を行うのはどのようなケースなのでしょうか。

馬場 研二Dr: 腫瘍が非常に大きい場合や、過去に腹膜炎などの病気で開腹手術を受けられた方は、開腹手術になります。
また、今後主流になっていくと言われているのが、ロボット支援手術です。
ロボット手術では鉗子の先が人間の手首と同じように曲がるので、より繊細な動きが再現できます。

二見いすず: このロボット手術は、どのような患者さんが向いているのですか?

馬場 研二Dr: 難しい場所のところに癌がある方や、かなり太った方などに適しています。

二見いすず: 大腸の場所によって、難しさというのは変わるんですね。

馬場 研二Dr: 大腸は、おなかの中をぐるりと大きく時計回りに回って肛門につながっているので、大腸がんと言っても、場所によって直腸がんやS状結腸がんなど、それぞれ呼び方も変わります。
ちなみに大腸の長さは1.6メートルもあります。


二見いすず: そんなに長いんですね。
ところで大腸がんの中で多いのは、どこの部分のがんなのでしょうか?

馬場 研二Dr: 肛門のすぐそばにある直腸にできる直腸がんが多いです。
直腸がんの場合は、人工肛門になる場合もあるので注意が必要です。


二見いすず: 分かりました。
今月は大腸がんについてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の馬場研二ドクターでした。
ありがとうございました。

馬場 研二Dr: ありがとうございました。