二見いすず: | 今月のドクタートークは「大腸がん」をテーマにお送りしています。 お話は鹿児島県医師会の馬場研二(ばば けんじ)ドクターです。 馬場さん、最終日もどうぞよろしくお願いいたします。 |
馬場 研二Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は大腸がんの手術についてお話いただきました。 現在の主流は腹腔鏡手術ですが、今後ロボット支援手術が増えていくであろうというお話でした。 今日はどのようなことについて教えていただけますか。 |
馬場 研二Dr: | 今日は、抗がん剤治療についてお伝えいたします。 抗がん剤治療を行う患者さんは、大きく2つに分かれます。 1つは、手術後の再発を防ぐ補助化学療法として行うものです。 もう1つは、転移があり手術が受けられない場合に、がんを小さくし、進行スピードを抑え、よい状態を長く維持することを目指します。 |
二見いすず: | 手術後の再発を防ぐために抗がん剤治療を行うということですが、手術でがんはすべて取り除くんですよね? |
馬場 研二Dr: | もちろんです。 ただし手術で目に見えるがんをすべて取り切ったとしても、目には見えない小さながん細胞が体内に残っている可能性があります。 そこで、このようながん細胞が再発しないよう、抗がん剤治療を行います。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
馬場 研二Dr: | また、抗がん剤以外の新しい薬物療法としては、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などがあり、特定の遺伝子を調べて対象者を選ぶため効果が期待できる治療です。 また、がん遺伝子パネル検査といって、更に詳しく遺伝子の特徴を調べて、治療法の選択に役立てることもできます。 こちらは最近保険適用になりました。 |
二見いすず: | 治療の選択肢は増えているということですね。 しかし、やはりすべての病気に言えることですが、定期的な検診をして、早期発見、早期治療が一番ですね。 |
馬場 研二Dr: | 本当にその通りです。 おさらいになりますが、まずは40歳を過ぎたら、大腸がんの検診を定期的に受けることが大切です。 残念ながら早期では自覚症状がないため、大腸がんだと自分で気づくことはできません。 |
二見いすず: | 元気だと検診をつい後回しにしてしまいがちですが、たった1日で終わると思えば、大腸がんになったときのことを想像すると大したことのないように思えますよね。 |
馬場 研二Dr: | そうですね。 そしてもし大腸がんが見つかったとしても、腹腔鏡手術なら小さな傷で済みます。 繰り返しになりますが、早め早めの検診が一番の予防です。 ぜひ覚えておいてください。 |
二見いすず: | しっかりと心に留めておきたいと思います。 今月は大腸がんについて、鹿児島県医師会の馬場研二ドクターに貴重なお話をしていただきました。 馬場さん、ありがとうございました。 |
馬場 研二Dr: | ありがとうございました。 |