2022.6.11 第997回放送分 『熱中症』2回目 ゲスト:長間 将樹ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島市立病院救命救急センターの長間将樹(ながま まさき)ドクターです。
長間さん、どうぞよろしくお願いいたします。

長間 将樹Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は熱中症の予防について教えていただきました。
暑い環境にいないことが何よりも大切ですが、お仕事などでどうしても炎天下で作業される場合は、こまめな水分補給が大切というお話でした。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

長間 将樹Dr: 今日は、熱中症になる環境的要因についてお伝えします。
よく、その日の気温ばかりを気にしがちですが、熱中症になる環境的要因としては、気温、湿度、そして輻射熱の3つがあります。
しかもその割合は、気温1、湿度7、輻射熱2となっており、決して気温の高さだけでは判断できないのです。

二見いすず: 湿度の高さにも、十分気をつけないといけないんですね。
ただ、気温だけでなく、さまざまな要因が重なると、判断が難しくなりますね。

長間 将樹Dr: はい。
そこで活用していただきたいのが、暑さ指数と言われるものです。
これは、先ほどお伝えした気温、湿度、そして輻射熱の3つの要素をもとに算出された指数です。

二見いすず: 暑さ指数ですね。
これはどこで知ることができますか?

長間 将樹Dr: 環境省の熱中症予防情報サイトで分かります。
スマートフォンやパソコンで、暑さ指数と検索されてみたら、すぐに出てきます。
このサイトでは、その日の3時間ごとの暑さ指数が分かるようになっており、暑さ指数が28をこえると熱中症になる危険性が急激に高まるので、十分注意するようにしてください。

二見いすず: 外出する前などに、一度確認しておくといいかもしれないですね。
また、先日のお話ですと、高齢者の方は自宅にいても熱中症になるということなので、毎日確認すると安心ですね。

長間 将樹Dr: そうですね。
さらに今年の4月から、熱中症警戒アラートというものが全国で運用されるようになりました。

二見いすず: 熱中症警戒アラートとは何ですか?

長間 将樹Dr: 先ほどの暑さ指数が33を超えると予想された場合、気象庁から発表され、テレビやラジオなどで報道されます。
これまでの暑さ指数と併せて、夏場は情報に注意して行動していただきたいです。

二見いすず: 分かりました。
まだ6月なので本格的な暑さは梅雨明けからになると思いますが、この時期も注意することはありますか?

長間 将樹Dr: もちろん、夏場に比べたら熱中症の発生頻度は少ないですが、湿度が高いと熱を放散するのが難しくなるので、可能性がゼロとは限りません。
また梅雨明けすぐの頃も、体が暑さに慣れず熱中症になりやすいので、注意するようにしてください。

二見いすず: お話は鹿児島市立病院救命救急センターの長間将樹ドクターでした。
ありがとうございました。

長間 将樹Dr: ありがとうございました。