二見いすず: 今月のテーマは「日焼け」です。
最終回になりました。
今週もお話は鹿児島県医師会の久留 博史(ひさどめ ひろふみ)ドクターです。
久留さん、今日もよろしくお願い致します。

久留博史Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: まず、紫外線を浴びることによっておきる慢性障害についてお話をして頂けますか。

久留博史Dr: はい。
日光による慢性障害としましてはよく見られるものにシミですね。
それからシワ。
それから良性の腫瘍の発生、それから悪性の腫瘍の発生。
そういうものがあります。
シワとしましては戸外労働者と言いますか、長年、漁業とか農業とかに従事されてきた方の首の後ろとか見ますとひし形に深いシワが刻み込まれていることをよく見ます。
そういうのを菱形皮膚。
菱形と書くんですけど、また、肩とか背中とか見ますとこんぺい糖状というか、花弁状、花びら状の色素沈着を多数発生していることがあります。
そういうものも慢性の紫外線による障害だということですね。

二見いすず: 先ほど、お話の中に悪性の腫瘍というお話がありましたけれども、これは一般的に私どもが耳にする皮膚癌と考えてよろしいんですか。

久留博史Dr: はい。
皮膚癌の一つですね。
よく見られるものに、日光角化症という病気があります。
これは、長期にわたって紫外線にさらされてきた、そういうことが原因の前癌状態というふうに言われております。
一般的に農業とか、漁業などの戸外労働をした職歴があるということ。
それから、年齢がやはり60歳から80歳代であるということ。
場所は顔面、耳、手背、手の甲ですね、等によくできるというふうに言われております。
また、多発することもあります。
それがそのままほっときますと本格的な有局細胞癌という癌になりまして、転移も起こすし、広がっていくというようなことですね。

二見いすず: やはり、どの病気もそうですけれども早い段階で専門医に診て頂くということが。

久留博史Dr: 普通の一般の方では良性、悪性というのはなかなか区別できませんですね。
それはちゃんとした専門の皮膚科にかかって、診断してもらって、治療してもらうということが重要ですね。

二見いすず: では、最後に日焼けについてまとめを簡単にお願いします。

久留博史Dr: やはり紫外線、日光というのは非常に人類というかいろんな生物にとって非常に大事なものなんですけれども、こと、皮膚に関しては100害あって1利なしと言っても過言ではないと思います。

二見いすず: 夏の日差しくらいと、あなどってはいけませんね。

久留博史Dr: そういうことですね。

二見いすず: 3週にわたってどうもありがとうございました。

久留博史Dr: はい。
ありがとうございました。

二見いすず: お話は久留 博史ドクターでした。
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来週9月からは「癌検診」について伺ってまいります。