2003.05.10
第2回放送分『禁煙』ゲスト:村上 直樹ドクター


二見いすず: 今月から始まりましたこのコーナーは、鹿児島県医師会の全面的なご協力により、日頃感じている健康や病気に対する疑問や不安に、毎回専門のドクターにアドバイスをして頂くコーナーです。
今月は「禁煙」をテーマに伺っています。
先週に引き続き、今日もお話し頂きますのは、鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターです。
村上さん、宜しくお願い致します。

村上直樹Dr: 宜しくお願い致します。
二見いすず: 先週は妊婦さん、それから御主人、そしてその周囲の方々に対する禁煙指導の重要性について伺いましたが、今週は、まずどんなお話からでしょうか?

村上直樹Dr: はい。まず妊婦さんですね。
赤ちゃんの立場から言えば、お母さんがタバコを吸っている時の影響ですが、お母さんがタバコを吸うと血管が収縮する、その時に一緒に子宮の中の胎盤の血管も収縮して、赤ちゃんに酸素とか栄養が行きにくくなって障害を起こします。
言葉を言い変えれば早く生まれて小さく生まれてしまいます。

二見いすず: 妊婦さんがタバコを吸うという事は、深刻な症状を引き起こすわけですね。

村上直樹Dr: そうですね。
ですから妊婦さんだけではなくて、今度は赤ちゃんが生まれた後にお母さんがタバコを吸っていますと、お母さんのタバコの煙を受けることも当然ですが、母乳の中にニコチンが出てきて、それを飲んだ赤ちゃんは非常に敏感な状態、それから眠れない、ぴりぴりして時々吐いたり下痢をしたり、色んな症状が出てきます。
それだけではなくて、0歳のお子さんでは乳児突然死症候群の一番の原因は、母親の喫煙と言われております。
それから、もう少し大きくなると、お父さんお母さんがタバコを吸う事によって喘息の子供さんがだんだん増えています。
これは、お父さんもですが、一緒にいるお母さんの影響が一番強いと思います。

二見いすず: 村上さんの書かれた文章に「禁煙をプレゼント」という言葉があるんですが、まさにこの事(プレゼント)なんですね。

村上直樹Dr: そうですね。
タバコを家の中に持ち込まないようにすれば、タバコを飲む事故も起こらないですし、色んな害を受けないと思います。
そういう意味で、子どもに贈れる一番簡単な、実行は難しいですがプレゼントだと思います。

二見いすず: さて、小学生の喫煙が問題になっているということですが、どんな状況なんでしょうか。
村上直樹Dr: そうですね、法律的に昔から禁止されているんですが、実際には自動販売機が日本で60万台以上あって、どこででも簡単に買える状況で、小学生からタバコを吸っている。
これは鹿児島は全国でも少し高い位です。

二見いすず: そうなんですか。
大変心配なお話しのようなんですが、続きは次回という事で、また宜しくお願いしたいと思います。
ありがとうございました。

さて、このコーナーでは、来月からのテーマ「うつ病」そして「食中毒」についての疑問・ご質問を募集しています。
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