2003.05.17
第3回放送分『禁煙』ゲスト:村上 直樹ドクター


二見いすず: 今月から始まりましたこのコーナーは、鹿児島県医師会の全面的なご協力により、日頃感じている健康や病気に対する疑問や不安に、毎回専門のドクターにアドバイスをして頂くコーナーです。
今月は「禁煙」をテーマに伺っています。今日もお話し頂きますのは、鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターです。
村上さん、宜しくお願い致します。

村上直樹Dr: 宜しくお願い致します。

二見いすず: 先週は喫煙と胎児・赤ちゃんへの影響についてお聞きしましたが、今週は小学生の喫煙という事ですね。

村上直樹Dr: はい、そうです。
私が学校医をしているところで、ここ数年喫煙防止教育をしているんですが、その学校で、ちょうどアンケートをとる機会がありまして、322名の中で17名(約7%)が1回以上の喫煙があると言っています。
その中で、正直に答えていない方もいるかと思いますので、大体10%、10人に1人はタバコを吸っている可能性があります。
以前は禁煙の重要性を話したんですが、今は段々学年が下りて5年生、そして今年からは4年生ないし小学校に入る前後の子どもさんにもタバコの恐さをお話したいと思っています。

二見いすず: にわかには信じ難い数字なんですが、でもこれが現実という事ですね。
具体的には、どんな方法で教えてらっしゃるんですか?

村上直樹Dr: 以前は質問形式(クエスチョン&アンサー)でしていたんですが、興味を持たない子供さんもいたので、今は色んな画像を使って、交通事故で亡くなった人のきれいな肺とか、それと比較して肺がんで死亡した人の真っ黒な肺の写真を見てもらって考えてもらう。
それから色んな病気ですね、肺がんとか心筋梗塞の出血、そういうのはタバコを早く吸い始める程その病気にかかる可能性があるという事を教えています。

二見いすず: さて、タバコとお酒というのは良く比較されますが、村上さんはどう思われますか?

村上直樹Dr: お酒の場合は個人的な問題と言いますか、飲酒運転とか暴力事件などがありますが、その事を除けば大して害はないと思いますが、タバコの場合は毒物を含んだ煙を出しますので、周りの人が間接喫煙とか強制喫煙、それから迷惑喫煙をさせられてしまう。そういうタバコを吸うことを望まない人達が無差別に様々な病気を起こしてしまう原因があると思います。

二見いすず: 例えば、タバコ1本お隣の人が吸っただけでも、かなり大きな影響があるものですか?

村上直樹Dr: そうですね、これは体育館でもわかると思いますが、大体ドラム缶500本分の空気を汚していると言われておりますので、お父さんが換気扇の下でタバコを吸うとか、トイレの中とか、要するに天井が繋がったところでタバコを吸うと間接的に家族に吸わせることになりますので、タバコを吸う時は必ず屋外に出た方が良いと思います。

二見いすず: わかりました。さて来週はどういうお話になりますか?

村上直樹Dr: はい、来週は、タバコと深刻な病気に関するお話をしたいと思います。

二見いすず: 来週もよろしくお願い致します。
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