2003.05.31
第5回放送分『禁煙』ゲスト:村上 直樹ドクター


二見いすず: このコーナーは、鹿児島県医師会の全面的なご協力により、日頃感じている健康や病気に対する疑問や不安に、毎回専門のドクターにアドバイスを頂いております。
今月は「禁煙」をテーマに伺ってまいりましたが、いよいよ今日は最後の週です。
お話し頂きますのは、鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみ なおき)ドクターです。
村上さん、宜しくお願い致します。
村上さん、最終の今日は禁煙のコツなどをお話し頂けるんでしたね。

村上直樹Dr: ええ、そうです。
先ず始めに、タバコが止められない人は、ニコチン依存症と認識して頂けると良いと思います。
それは、本人も禁煙を始めて大体一週間、特に最初の2〜3日が非常にイライラしたり、頭痛、めまいなどの離脱症状が現れてきます。
こういう時には深呼吸とか軽い運動、水を飲む、そういう事で紛らわすと言う方法もありますが、実際にはなかなか難しいと言われています。

二見いすず: 私の周りには、その辺りで挫折した人が、山ほどいるようですが、もっと確実な方法は無いんですか?

村上直樹Dr: そうですね。
自分の意志でパッと止められると言うのは、大体10人に1人と言われておりますから、逆に言えば10回失敗しても普通だと言えます。
現在ではニコチンが入ったガム、これは市販しておりまして、この他にパッチという貼り薬が医薬品として処方で使いますので、この2つを利用すると、禁煙の確率がずいぶん上がると言われ、半分以上うまくいくと言われています。
これをニコチン置換療法と呼んでいます。
この場合、ニコチンガムの方は自分で買えますが、パッチは保険の対象となっていますので、自己負担となります。
それでもタバコに使ってきたお金に比べれば、ずっと安いはずですし、自分の健康のためにも良いと思います。

二見いすず: そういった医学的な方法以外には、禁煙のコツはないでしょうか?

村上直樹Dr: そうですね。
まず自分がタバコを止めるという事を周りの人に言った方が良いと思います。
それから、ポンと止めないで「禁煙記念日」というのを作って、例えば、自分の誕生日、または奥さんの誕生日とか、それから結婚記念日、そういう禁煙の意識を強くもって始めること。
そして、一人で悩んだり、ダメだったと諦めるのではなくて、今は禁煙支援をしてくれる、そういう外来をもった病院が増えています。
それから、インターネット上に、禁煙をお互いに励ましあう「禁煙マラソン」というのがありますから、そういうのに参加するのも成功の確率を上げる良い方法だと思います。

二見いすず: 仲間がいるということは、心強いですよね。
さて、今日31日は「世界禁煙デー」ということです。
この「世界禁煙デー」の今日を禁煙記念日にするのも良いかもしれません。
村上さんには、1ヶ月お話をして頂きました。
どうもありがとうございました。

村上直樹Dr: ありがとうございました。

二見いすず: さて、6月は「うつ病」についてお送りします。
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